大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(ラ)432号 決定

そこで、検討するに、同一の所有者に属する土地と地上建物のうち土地のみについて抵当権が設定され、その後右建物が滅失して新建物が再築された場合であっても、新建物が強制執行により売却されたときは、法定地上権の成立を妨げず、その場合における法定地上権は、少なくとも再築前の建物を基準とする範囲で土地抵当権者にも対抗することができるというべきであり、更に、土地抵当権設定時に新建物の建築がすでに予定されており、これを前提として土地の担保価値が算定されたなどの特段の事情がある場合においては、新建物の所有を目的とする法定地上権として土地抵当権者に対抗することができると解する余地もある。

そして、記録(抗告人が当審において提出した資料)によれば、抗告人は本件建物及びその敷地(上鶴間二八二一番二〇)を所有するところ、その敷地のみについて昭和五五年一一月一五日に協同住宅ローン株式会社のために抵当権が設定されていること、右抵当権設定時には、その地上に店舗兼居宅(家屋番号三七二番七)が存在したこと(ただし、それが右敷地上のみに存在したか、他の土地にまたがって存在したかについては、証拠上明らかではない。)、その後右店舗兼居宅は取り壊されて、昭和五六年七月二八日までに本件建物が新築されたことが、それぞれ認められる。右認定事実によれば、本件建物の売却により成立する法定地上権は少なくとも右店舗兼居宅(ただし、それが他の土地にまたがって存在していた場合については、前記敷地上に存在した部分にかぎる。)を基準とする範囲では敷地抵当権者に対抗することができ、右抵当権の実行としての売却によっても、そのかぎりでは消滅しないというべきである。

(森 高橋 小林)

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